
正しい座り方をすると疲れるというのは、不自然な状態になっているからであり、実は正しくない座り方になっているのかもしれません。
本来“正しい”座り方というのは存在せず、自分の身体にとって自然な状態で座ることができると、非常に楽なんですね。
この記事では、
- 正しい座り方が疲れる理由
- 正しい座り方を習得する4つのステップ
などを解説します。
ちなみに、今回ご紹介する「座り方」というのは、
- 太もも・ふくらはぎ痩せしたい
- 腰痛などの痛みを改善したい
- 疲れない座り方を習得したい
など、全ての目的の方に共通する座り方になるので、ぜひ参考に実践してみてください。
今回の記事の内容
正しい座り方が疲れる理由
先ほどもお伝えした通り、今行っている正しいと思われる座り方が、実は不適切なために疲れてしまうのかもしれません。
以下のような座り方になっていませんか?
- 胸を張って、肩を引いている
- 背筋をピンッと伸ばし、背中が力んでいる
- 骨盤をグッと立て、腰を反らしている
実はどれも不自然な座り方で、疲れてしまう座り方なんですね。
ですので、「正しい座り方が疲れる」と感じている方は、そもそもその座り方が自然な座り方じゃない可能性があります。
自然な状態だと骨だけで座れる
まず前提として、人間は自然な状態で座れると骨だけで座れます。
“骨だけ”で座れるということは、筋肉に頼らなくても座れるということ。
こういう状態だと、筋肉にかかるストレスは最小限になるため、そこまで疲れません。(後程改善方法をご紹介しますね。)
筋肉がついた状態だと、こういう状態が骨で座っている状態。
頭や上半身が弯曲を描きながら、その重さが坐骨というお尻の下にある骨にかかる。
この座り方が維持できると疲れないはずですが、ここから崩れている方が多いんですね。
肩や骨盤の位置が不自然
現場でご指導していると、ほとんどの方は、
- 肩
- 骨盤
このどちらかの位置が不自然。
肩の位置はほぼ99%の方が不自然で、これが疲れる原因になっているかもしれません。
例えば、今何気なく椅子に座り、いつも通りにしますよね。
この状態から、肩を軽く斜め上方に引き上げてすくめます。
そして、すくめた肩を「真下」にストンと落としてみてください。
このとき猫背気味になっているように感じても問題ありません。おそらく、こういう状態になっているはず。
どうですか?今感じている肩周りなどは楽じゃないですか?
本来この位置が自然なんですね。ここで「楽になった!」と感じる方は、日頃肩の位置が不自然だから座っていても疲れるんだと思います。
骨盤の位置が後ろに倒れてしまっている
また、骨盤の位置もおそらくほとんどの方は後方に倒れてしまっているはず。
極端にここまで倒れていなくても、自然な状態から崩れているかもしれません。
こういう状態になると、上半身の重みが腰や背中周りにかかるため、長時間座っていると疲れてきます。
本来は、先ほどお伝えしたように適度に骨盤が前傾し、骨で座れることが自然。
このように、今ご自身が思っている「正しい座り方」を実践したとき、身体の構造上不自然な状態になっているから疲れてしまっていると思います。
では、どうすれば疲れない座り方ができるのでしょうか?
疲れない正しい座り方を習得する4ステップ
ここではわかりやすく“正しい座り方”と表現しますが、ここで言う“正しい座り方”は“身体の構造として自然”という意味でお伝えしますね。
①硬めの椅子に座ってお尻の下に骨を感じる
まず最初に、硬めの椅子を用意して座ります。もし硬めの椅子がない場合、椅子の上に板を敷いておけばOK。
椅子に座ったら、まずは軽くへそを前に突き出すような感覚で座り、お尻の下に骨を感じていきます。
②骨盤をリラックスして前後に動かす
椅子に座ったら、次は骨盤を前後に軽く動かしていきます。
まずは、体を丸めるようなイメージで骨盤をだらんと後ろに倒していきます。
そこから、口から息を吐きながらへそを軽く前に突き出すように骨盤を立てていきます。
この骨盤の前後の動きをリラックスして20回程度繰り返します。
そして、この動作中に、
腹筋と背筋の両面が最も楽でリラックスできる位置
を探していきます。
③坐骨を感じて椅子に座る
それがみつかると、その位置で止まりましょう。
おそらくその位置で止まれると、お尻の下に骨を感じて、丁度坐骨で座っているような状態になります。
そしてここから先ほどお伝えした肩の位置を最後に修正していきます。
④肩をすくめて一気に落とす
肩を斜め前側に軽くすくめていきます。
そして、肩を脱力させて真下に落とします。
肩の真横のラインよりも少し前側にある状態。これが自然で最も楽な位置になるので、これで疲れない座り方の完成。
このとき注意してほしいのが、肩を“まっすぐ上方”にすくめないように注意してください。
ここで落とすと、肩の位置が引けてしまい、自然な位置に肩の位置を修正できません。
必ず肩は少し前側にすくめるようにしましょう。
本当にこの手順が適切にできていると、
最後、肩をすくめて一気に落とした時、お尻の下の骨(坐骨)にドンッ!と振動がくる
はずです。
この感覚が実感できると、良い感じに座り方を改善できていますね。
足元も調整する
あと、お伝えしていなかったのが足元ですね。
基本的には、膝とつま先を同じ方向に向けて座れると問題ありません。
避けてほしいのは、
- 片脚だけ脚を組んで座る
- 内股状態で座る
- 片側に体重が偏っている
などの座り方。
こういった座り方を長時間続けてしまうと、
- 外ももがポコッと張り出てしまう
- X脚のように脚が捻じれる
- 腰痛や股関節痛が発生する
などの身体の悩みにつながってしまいます。これらの座り方は避けるようにしましょう。
ここまでお伝えした座り方が実践できれば疲れない座り方ができますし、お伝えしたい正しい座り方ができるので、ぜひ参考に実践してみてください。
おすすめしたい床での座り方
あと、床での座り方もあわせてお伝えしますね。
床に座るときは、以下のような4種類の座り方がおすすめです。
あぐら
家での座り方は、あぐらが最も実践しやすいと思います。
ただ、長時間座り続けていると腰周りが張ってくるので腰痛の方は、次の正座がおすすめですね。
正座
床で最も正しい座り方と言えば、正座だと思います。
骨盤も自然な位置で維持できますし、身体への負担も小さい。とはいえ、正座は脚がしびれて長時間は厳しいですよね。
そんな方は、脚を伸ばして座るのもおすすめ。
長座
脚を伸ばした状態で座るのは楽ですし、脚が捻じれたりしないので良いですよね。
僕も家ではこういった座り方をよくしますし、実践しやすいと思います。
体操座り
もう1つは体操座り。
これもありではありますが、腰周りの負担が増すので腰痛などの方には不向き。
基本的にはこういった4種類の座り方はおすすめなので、やりやすい座り方を実践してもらえるとOKですね。
避けてほしい床での座り方
床での座り方で避けてほしいのは、
- 脚を片側に流すようなお姉さん座り
- 両サイドに脚を出すようなお姉さん座り
などです。
こういった座り方は、
- 外ももの張り
- 全身の捻れや歪み
- 腰痛や肩こり
など、身体のさまざまな不調や悩みにつながる可能性があります。
左右非対称の時点でおすすめできないので、こういった床での座り方は避けた方がいいですね。
今回は「座り方」をテーマにお伝えしていきました。上記でお伝えした座り方に変えると疲れにくくなりますので、ぜひ参考に実践してみてください。
今回は以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
立ち方は座り方の延長にあるため、姿勢が気になる方は以下の記事も参考にどうぞ。
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